睡眠サプリに配合されているカモミールってどんな効果があるの?
2016/08/29
睡眠サプリによく配合されている有効成分『カモミール』のがなぜ睡眠に効果があるのか?副作用はあるのか?安全性や依存性など、本当に使っていいのかちょっぴり戸惑ったりしますよね?
使っても大丈夫なのでしょうか?
目次
カモミールは世界最古のハーブ

cocoparisienne / Pixabay
カモミール(学名:Matricaria recutita)とはキク目キク科の植物のことであり、日本語ではカミツレと言います。小中学生の頃に学校で植えた事がある人も多いと思います。
元々はヨーロッパから中東、来たアフリカの植物なのですが、近年ではプランターなどで植えていたカモミールの種が風で飛ばされ、自生し始めています。
カモミールと人間の歴史はとても古く、今から4000年前までさかのぼります。紀元前2000といったらエジプトでピラミッドが立てられ、中国では最古の王朝が誕生したころですね。
古代バビロニア(メソポタミア文明)では既に薬草として使われており、エジプトでは太陽神ラーへの捧げものやとして丁寧に扱われていました。かのクレオパトラも眠る前にカモミールを愛用していたという記録が残されています。
ローマ帝国でも赤ちゃんの炎症を抑える為に使用されたり、興奮状態を抑えリラックスする為にお茶として親しまれていました。これはローマ帝国崩壊後もヨーロッパで脈々と伝えられ、「医者の薬」「マザーハーブ」という別名があるほど慕われてきました。
「ピーターパン」でもお腹を壊したピーターパンがカモミールティーを飲むシーンが存在します。イギリスで最も古いハーブ専門書「バンクスの本草書」にも頭痛・腹痛に効果があると記載されていました。
カモミールが古代から今日に至るまで愛される理由としては、安眠や腹痛、炎症、月経の痛みなどを抑える効果があり、「何かあったらカモミールを使えばいい」という万能感があったからですね。
日本には元々存在しなかった植物ですが、江戸時代にオランダから医学書と一緒に伝わってきました。
ハーブとしてのカモミールは2種類ある
カモミールの説明の中ににもいくつか種類があるのですが、ハーブとして扱われるのはジャーマンとローマンの2種類ですね。これらは外見上よく似ていますが、効果が結構違います。
実は先ほど述べたカモミールの効果は、この2つがセットになった効果なんですよ。
ジャーマンとローマンの違いは「香りが葉っぱからもするか?」がもっとも分かりやすいですね。もし花だけが香るならジャーマン。葉っぱからも匂いがすればローマンです。
ジャーマンカモミールの効果
ジャーマンカモミールの効果は「体の中の炎症・アレルギー・生理痛を抑える」です。
これはアズレンとフラポノイドという成分が関わってきます。アズレンは抗菌作用に、フラポノイドは過剰に敏感になっている状態を沈静化してくれる効果がある為、体の免疫の過剰反応である炎症とアレルギー反応を抑えてくれます。
生理痛に関しても基本の原理は同じで、子宮内で家事用反応を起こしている部位をゆっくりと沈静化してくれる。ただから痛みがスーと引いていくんですよ。
睡眠サプリとは少しかけ離れていますが、生理痛で眠れないという方はジャーマンカモミールか、それを使ったサプリメントを使うといいでしょう。
ローマンカモミールの効果
ローマンカモミールの効果は「リラックス」「肌の炎症を抑える」効果ですね。
これはローマンカモミールの成分の大半が「エステル類」という鎮静成分だからです。効果自体はとても強く、アロマにして香りだけ楽しんでいても眠たくなってしまうほど。
ですが、効果の効き目自体はゆっくりなので、大人から子供まで安心して使用することが出来ますよ。
なお、お茶にして飲むと物凄く苦いですので適度に薄めて飲むようにしてください。寝る前にサプリメントとして服用するか、アロマにするほうがいいでしょうね。
花だけを貰た場合、ローマンかジャーマンかが分からないですよね?
その場合は花の中央部、黄色い部分が膨らんでいるかを見てください。もし膨らんでいたらジャーマンカモミールですので、お茶にして問題ありません。
乾燥品は・・・少し薄めて飲む以外思い浮かびません。
カモミールは安全なの?
カモミールの副作用や危険性ですが、今のところ大きな副作用や依存性は確認されていません。過剰摂取に関しても花壇いっぱいの花をそのまま食べない限り心配する必要は無いですね。
ただ、いくつかの文献には「妊婦の使用を控えたほうがいい」という記述がありますので、妊娠している女性は残念ながら服用を控えたほうがいいでしょうね。
キク科の植物にアレルギーを持つ人も同様です。
つらい時に使って欲しいハーブです
突然ですが、カモミールの花言葉をご存知ですか?
カモミールの花言葉は「苦難に耐える」「逆境で生まれる力」です。これはカモミールがたとえ強い風に晒されたり、人に踏まれても決して挫けずに強く花を咲かせることに由来しています。
人はどんなに強く屈強な人も休む時間がなければいずれ壊れてしまいます。力強さの象徴であるカモミールが人をリラックスさせる効果があるのは、きっとそのことを知っているからでしょう。
つらい時や悲しいとき、誰にも相談できず泣きそうな時はカモミールのハーブティーとアロマを使って、何もせずゆったりしてみてはいかがでしょうか。きっと母親のようにゆっくりと、やさしい香りであなたのことを抱きしめてくれますよ。
<カモミールは別名「マザーハーブ(母の薬草)」。きっと4000年も前からお母さんが子供の為にハーブティーを作っていたんだろうね。少し使ってみたけど小さい頃を思い出すような温かな香りと味がして、安心できる時間を過ごせたよ。
サプリとして服用するのもいいけれど、香りと味を楽しむことも大切なんだね。