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不登校の親は知っておきたい!朝起きれない起立性調節障害と診断方法

      2017/04/18

私は学生時代、朝がまったく起きられずに不登校状態でした。別にサボりたいわけではなくどうしても午前中に起きれなかったのです。

こういう睡眠の病気ってあるのでしょうか?

※起立性調節障害の治療方法を今すぐ知りたい方はこちら>>

朝が起きれなくなる!起立性調節障害とは?

あなたやあなたのお子さんは「朝まったく起きれないクセに、夜になると元気になっている。」ことがありませんか?

一見するとただの昼夜逆転に思えますが、実際は何かの病気のサインかも・・・。

朝が起きれないということで不登校、もしくはそれに近い状態に陥ってしまう病気。それが起立性調節障害(OD:Orthostatic Dysregulation)です。

起立性調節障害とは思春期に起こりやすい自律神経の病気であり、放置すると学校や会社で支障をきたし、引きこもりや不登校の原因になることも。

自律神経とは人間が無意識のうちに反応している神経のこと。よって、これから説明する症状は意思の力ではどうしようも出来ません

この病気にかかると以下のような特徴が現れます。

起立性調節障害の特徴

  • 朝起きれない(起床が10時以降)
  • 急に起きると貧血を起こしやすい
  • 朝に吐き気がある
  • 階段がつらい
  • 昼夜逆転
  • 夏に症状が悪化する
  • 午後に回復しやすい

特に小学生より中学生や高校生が発症しやすいです。その為、「小学校の頃はいい子だったのに、今では朝起きずにずっと引きこもっている・・・」という人が多いです。

実は思春期の子供の10%が大なり小なり発症しているものの、知名度があまりにも低い為に医者すら知らないことが殆ど。その為、うつ病などと誤診することも・・・。

思春期に起きやすいということは、成長期と何かかかわりがありそう。
その疑いはありますが、「明確に」原因が分かっていないのが現状なのです。ただ、男性より女性のほうが発症率が高いと「やさしくわかる 子どもの起立性調節障害」という本で報告されています。

一番厄介なのが起立性調節障害のせいで学校に馴染めず心に大きな傷を負う事。

起立性調節障害の特徴である「午後に回復しやすい」という性質上、他人から見ると「ナマケモノ」「サボり」だと勘違いされて怒られたりイジメにあいやすい。

その為、治療には身体だけでなく傷ついた心のケアも必要になってくるのですよ。

起立性調節障害のメカニズム

起立性調節障害は思春期の子供が発症しやすい病気ですが、大人もある条件化で発症をします。

それを説明する前に、起立性調節障害のメカニズムについて説明しましょう。

先ほど起立性調節障害とは自律神経の病気だと説明しました。自律神経の病気にも色々とありますが、この病気は朝起きた際のスイッチがうまく起動しない為に起きています

自律神経には交感神経と副交感神経の2種類があるのをご存知でしょうか?

交感神経は「活動」を、副交感神経は「休息」をするときに働く神経です。この2つの神経は体中のいたるところで働いており、心臓、血液の循環、腸、肺、睡眠などなど、ありとあらゆる部分で活動しています。

ところで、人は寝るとき横になりますよね?これは睡眠時に副交感神経が強まっても血液を体中に循環させる為のポーズなのです。

通常、睡眠から覚めるときは交感神経に切り替わり血液を力強く全身に行き渡らせるのですが、起立性調節障害になるとこの切り替えがうまくいかなくなります

その結果、起きようと思っても思うように体が動かず、強制的に起こしたとしても血液が脳までいかずに立ちくらみや目眩、最悪倒れるようなことになります。

(視床下部-wikipediaより)

ところで、交感神経と副交感神経のスイッチはどこにあるのかというと、脳の視床下部(ししょうかぶ)です。(上記画像の赤い部分)

この視床下部ですが、ストレスなどを司る大脳辺緑系からの情報も受け取っており、影響を受けています。

ようは大人でも強いストレスに晒されると起立性調節障害になりえるのですよ。

起立性調節障害の診断方法

起立性調節障害の診断基準ですが、現代では起立性調節障害のガイドラインに基づき「新起立試験」と「心身症としてのOD診断チェックリスト」によって行われます。

病院での起立性調節障害の検査手順

  1. 何か病気になっていないかの検査
  2. 新起立試験
  3. 重症度診断
  4. 心身症としてのOD診断チェックリスト

国立成育医療研究センターのpdf資料7P目を参考。

新起立試験とは、ベットに10分間横になり血圧や心電図などを測定。その後起きて再度血圧や心電図などを測定することで、起立性調節障害の状態や種類(サブタイプ)を探る方法です。

重症度診断は新起立試験の結果を元に患者の状態を判定します。

最後の心身症としてのOD診断チェックリストは「起立性調節障害による生活の支障によって心にダメージを受けていないか」のチェックリストになります。

いずれも病院で行うことが前提の検査方法ですね。

「もしかしたら起立性調節障害かも・・・」と考えている人の為に、簡易版の診断基準をご紹介します。

自宅で出来る起立性調節障害の診断方法

  • 立ちくらみや目眩がしますか
  • 朝起きたとき、気分が悪かったり失神を起こしますか
  • 入浴や嫌なことで気分が悪くなりますか
  • 日常生活で動悸や息切れがありますか
  • 朝、中々起きられず午前中調子が悪い?
  • 顔色が青白いですか
  • 食欲がない?
  • 腹痛がありますか
  • 倦怠感を感じますか
  • 頭痛をしますか?
  • 乗り物酔いをしますか?

上記のうち3つ以上当てはまると起立性調節障害の可能性があります。


※補足

実際にはこのほかにサブタイプ(起立性調節障害の種類)を新起立試験にて調べないといけません。詳しくは後ほど解説します。

参考サイト:起立性調節障害診断の手順|起立性調節障害Support Group

睡眠に関する問題だけでなく、頭痛や乗り物酔いといった項目もあるのですね。
睡眠問題によって発覚しやすい起立性調節障害ですが、それは副次的なものなのですよ。

起立性調節障害のサブタイプとは?

ここまでの説明の中で「サブタイプ」という言葉が出てきましたが、これは起立性調節障害の種類のこと。新起立試験によってどのタイプなのかがわかります。

起立性調節障害は他人から見れば同じ症状でも、体の中で起きている状態は大きく分けて4種類あり、それぞれによって対処法が変わってきます。

現代判明している起立性調節障害のサブタイプ

  • 起立直後性低血圧(INOH)
  • 体位性頻脈症候群(POTS)
  • 血管迷走神経性失神(VVS)
  • 遷延性起立性低血圧(OH)

最新の研究では、これ以外のサブタイプも判明しています。

参考:ODのサブタイプについて

では、上から順にどういった症状なのかについて解説していきましょう。同時に「症状の重症度」も簡潔ですがまとめていますので参考にしてください。

起立直後性低血圧(INOH)と診断基準

起立直後性低血圧とは、名前の通り「立った直後」に血圧がグツと低くなるタイプ。起立性調節障害の4人に1人はこれだと言われています。

診断基準としては起き上がってから血圧が回復するまでに25秒以上かかると起立直後性低血圧だと診断されます。

また、立ってから3分~7分後の収縮期血圧(最高血圧)が寝ているときより15%以上低下していると重症です。

起立直後性低血圧の重症度の判断基準

  • 軽症・中等症・・・起き上がって7~10分後に血圧が改善する
  • 重症・・・立ってから3分~7分後の収縮期血圧(最高血圧)が寝ているときより15%以上低下

体位性頻脈症候群(POTS)

体位性頻脈症候群とは、起き上がったら心拍数が急激に上がるタイプです。

起き上がってから3分後の脈が115回以上、もしくは35回以上増加したらこのタイプだと診断されます。

体位性頻脈症候群の重症度の判断基準

  • 軽症・中等症・・・起き上がった時の脈が「115以上」、もしくは「35回以上増加」
  • 重症・・・起き上がった時の脈が「125以上」、もしくは「45回以上増加」

血管迷走神経性失神(VVS)

血管迷走神経性失神は、立ち上がって10分程度で突然血圧が急激に低下。意識が弱まったり無くなるタイプ。

転倒事故等を起こしやすいですが、「倒れる」という明確な症状の為に早期に病院で診断されやすいです。

血管迷走神経性失神の重症度の判断基準

  • 軽症・中等症・・・症状は血管迷走神経性失神のみ
  • 重症・・・血管迷走神経性失神以外にも起立直後性低血圧や体位性頻脈症候群を併発している

余談

血管迷走神経性失神は昔は「神経調節性失神」という名称でしたが、2015年版のガイドラインで変更されています。これは神経調節性失神だと「名称の似ている病気」と間違いやすく医療ミスに繋がる恐れがあったためです。

遷延性起立性低血圧(OH)

遷延性起立性低血圧は立ち上がって数分後に最高血圧が15%ほど低下、もしくは血圧が20mmHg(mmHgは血圧の単位)以上も低下する場合に診断されます。

個人差はありますが、起き上がって5分前後でクラクラしたり意識が低下。10分以降に体調が元に戻るのが一般的ですね。

このサブタイプのみまだ重症度の判定基準はありません。日常生活での支障具合によって対応が変わってきます。

その他のサブタイプ

最近の研究では、上記4つ以外にもタイプがあることが判明しました。そのタイプとは「過剰反応型」と「脳血流低下型」です。

最近判明した起立性調節障害のサブタイプ

  • 過剰反応型立ち上がった直後に血圧が高くなるタイプ。フィナプレス(連続血圧・血行動態測定器)という器具によって判定します。
  • 脳血流低下型は脳へ送られる血流が少なくなるタイプ。近赤外分光器という器具によって判定します。

これらは現在行われている新起立試験では判明せず、ごく一部の専門機関にある医療器具でしかわかりません。

このような新しいサブタイプの場合は「日常生活に支障が鳴ければ軽度」「週に1~2回ほど遅刻・欠席があるなら中等症」「学校や仕事などにほぼいけないなら重症」とされています。

起立性調節障害はまだまだ研究が必要な病気。今後も新しいサブタイプが登場するなら新起立試験そのものの改善が必要になってきますね。

【まとめ】起立性調節障害は不登校の原因になる怖い病気

  • 午前中にどうしても起きられない場合は起立性調節障害かもしれない。
  • 起立性調節障害だった場合、無理やり起こしても貧血や意識が飛んだりする。
  • 起立性調節障害は睡眠ではなく自律神経の問題なので気合ではどうしようもない。

今回は起立性調節障害の中でも基本的なこととその診断方法についてをメインに解説しました。

起立性調節障害は知名度が低いですが思春期の子供に起きやすい病気。「朝起きれない」という問題の為に家庭でトラブルになったり、学校で問題児として認識されやすいです。

本当は思春期の子供のうち10%ほどが起立性調節障害の可能性があるほど一般的なのですよ。

もし、あなた、もしくは周りで「朝かつらい」と嘆いている人がいたなら、ぜひ起立性調節障害について教えてあげてくださいね。

次:【初心者向け】起立性調節障害(OD)を改善・治療する6つの方法>>

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