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【医薬分業とは】薬局と病院はなぜ分かれているの?

      2017/01/25

風邪を始めとした診察が終わった後って、お薬を貰いに薬局へ行きますよね?その時毎回思うのが「なんで病院内でお薬をもらえないんだろう?」。特に雨の日なんて薬を貰うだけで濡れてしまうので憂鬱になりがち。なんで一緒にならないのですか?

薬局と病院が別なのはなぜ?

今回は睡眠薬やサプリメントからちょっと離れた話題ですね。

病院でお薬を処方されたとき、処方箋を薬局に持っていってからお薬をいただきますよね。その薬局というのは隣だったり道路の反対側だったり・・・ようは目と鼻の先にあるケースが殆ど。

一応薬局には「全ての病院での処方箋を受け付ける」と書いていますが、正直、皆さん隣の薬局にもって行きますよね。

どうせ病院も薬局も経営者は一緒なんでしょ。それなら一緒にしてしまえばいいのに・・・」なんてことを考えている人が多数だと思います。

実は、数十年前までは医者が薬を調合・処方していました。

まずは病院と薬局が分かれた原因について話をしましょう。

GHQの医療改革と既得利権との攻防の歴史

医薬分業はヨーロッパから始まり、江戸時代以降にはそれを参考にした病院がいくつか存在していましたが、明確に分かれるようになった最大の原因はなんと太平洋戦争での敗戦にあります。

太平洋戦争での敗戦により、日本はマッカーサー率いるGHQ(連合国軍最高司令官総司令部)によって様々な政策や改革を行いました。有名どころでは日本国憲法の制定が有名ですね。

アメリカは日本の文化を完全に変えようと考えていたようで、様々な東洋的考えを排除・西洋化しようとしました。漢字の廃止や将棋の禁止などが実際に議論、実施されかけましたが、日本人に討論で負けたため実行はされませんでした。

西洋化の波は何も文化だけでなく、医療にも及びました。

先ほども述べたとおり、日本は元々医者が薬を調合し、処方するという東洋的なシステム。GHQはこれを「治療する人」と「薬を処方(調合)する人」に分けるという医薬分業を強要し始めます。(1951年「医薬分業法」)

当然反対するのが医療団体。

「今までのシステムを変えるなんて許さない。」
「薬は体のことをよく知っている医師によって作られ、患者に出すべきだ。他の人になんか任せられない。」
「薬を処方できなくなると暮らしていけなくなる」

などなど、民間人も利用して大反対!

結局、反対意見に押されて【特別の理由があり、自己の処方箋により自らするときを除き】という言葉が追加されました。ようは「特別な理由があれば医者自身が処方していいよ。」ということですね。

これで適当な理由を付けては医師が自身の手で薬を処方できるようになりました。事実上の医薬分業の阻止が成功ということです。

医療に関する既得利権団体の強さは世界共通。絶対に敵に回したくないですね。

日本を破ったアメリカすら屈服させた医療団体ですが、その利権も長くは続きません。

戦争終結以降、急速に発達した医療と高度経済成長による目まぐるしい発達により、医師たちはキャパシティの限界と金という名の欲望に飲まれていきました。

ようは「薬の量が増えすぎて管理できない」「患者を薬漬けにして金を巻き上げる」という問題が浮き彫りになったのです。

これを解決すべく、厚生労働省は1995年に「病院内で処方した薬の販売価格を下げるよ」「だけど薬局で処方したものに関しては利益を出るようにするよ」というシステムや法案を作成。

これにより今のような病院と薬局が離れている状況になったのです。

薬局が出来始めたのって、今から20年ほど前なんですね。
良く思い出してみたら、私が若い頃は普通に病院で処方されていました。
(若いというのは10代の頃なのか20代の頃という意味なのか・・・)

さて、何かをなせは必ず何かが犠牲になります。それは医薬分業も同様。次は医薬分業によるメリットとデメリットについて説明しましょう。

医薬分業(病院と薬局を分けること)のメリットとデメリット

医師といえば今まで病気を治す唯一の職業と考えられてきましたが、医薬分業により「薬剤師」という存在も出現。それにより様々な人の経済的・精神的・肉体的な負担が増えたり減ったりしました。どんなメリット・デメリットが出てきたのでしょうか?

医薬分業のメリット

医薬分業によるメリットについて解説しましょう。医薬分業によるデメリットは大きく分けて3つ。①薬漬けの回避②財政圧迫の回避③医師は診断、薬剤師は薬の判断という専門化がありますね。ひとつずつ解説していきましょう。

薬漬けの回避

医薬分業の最大のメリットが患者に対しての薬漬けの回避ですね。

医薬分業が出来ていなかった時代は医師が自由に薬を処方できたため、薬を出せば出すほど儲かりました

ですが、先ほど述べたように「病院内で処方した薬の販売価格を下げるよ」「だけど薬局で処方したものに関しては利益を出るようにするよ」としつつ、投与された薬が本当に適切なのかを薬剤師や国がチェックする体制を施行。こうすることで患者に対して薬漬けを「一応」回避できています。

「一応」と書いたのは今だ薬漬けは行われているから。特に精神・睡眠関連は珍しくありません。これは肉体的な病気と違って「本当に適切なのか?」ということが分かりにくい為です。
未だに詳しいことが分かっていない上に、十分な腕のある医師が少ないという事情もありますが、患者である僕達にとってはたまったものじゃありません。
ヨーロッパやアメリカではこの部分が特に進んでいますが、その理由についてこのページの最後に説明しますね。

財政圧迫の回避

こちらは国の本音ですね。

お薬というのは保険が利きますよね?例外もありますが基本は3割負担。では残り7割はというと国からの税金(健康保険料)から賄われています。

医師が大量に薬を投与すると、その医療費が増えて財政を圧迫。国は財政の健全化のために医薬分業を進めた、という背景があります。

これは一時的な成果を上げたものの、すぐにまた医療費が財政を圧迫し始めました。
総人口のうち14%が高齢者という超高齢社会に突入したことで、高齢者の医療費負担が増加したことが原因です。
今度はお薬以外の部分で負担が増えたってことですね。財政の安定化はいつになることやら・・・

医師は診断、薬剤師は薬の判断という専門化

医師が診断し薬を処方するというやり方の場合、医師は病気を発見する知識と薬の知識、両方を完璧にこなさなければならず、知らず知らずのうちに医療ミスをしていました。

たとえば「薬の副作用なのに新たな病気と勘違いして、新しい薬を処方してしまう」などですね。これによって医師の薬漬けが起きていました。

医師は診断、薬剤師が薬の判断をすることで医師の負担や薬剤師による副作用の管理などが容易になったのです。

このメリットが現在のところ一番私達に恩恵が与えられていますね。
逆に言えば実質的なメリットがこれだけしかないのか・・・。

医薬分業のデメリット

医薬分業はなにもうれしい効果ばかりではありません。①患者に対しての肉体的・経済的負担②病院の資金問題③リベートや第二薬局問題④医療費があまり減っていないといったことがあります。

患者に対しての肉体的・経済的負担

医薬分業で一番の問題がこの肉体的・経済的負担ですね。

別々の立地にあるので風邪の人などはその移動だけで大変。

しかも支払いが別々なので、治療と薬、それぞれに支払い上限金額が設定されました。従来は治療と薬の合算で保険の支払い上限が設定されていたため、実質的な負担の増加に繋がりました。

なぜ支払いの上限金額を一緒にしないのでしょうか?
医薬分業は財政負担の軽減が目的のひとつでもあります。国にとってはこの状態が都合がいいのですよ。

病院の資金問題

資金がキツくなったのは何も患者だけではありません。

病院に勤める医師は今まで多くのことを勉強して医師になりました。しかも医療ミスなんて起きたら患者は命を亡くし、医師自身は莫大な慰謝料や信頼を失い、病院は信頼をなくし家以南に陥る。医師が高給取りなのは今までの努力と責任に対しての保障でした。

ですが、病院の稼ぎ頭である薬を自由に出来なくなることで多くの病院が資金難に陥りました。

そうなるとどうなるか?

余計に金に執着するようになり、医師の削減・患者の選定などが裏で行われるようになってしまいました。

ただでさえ超絶ブラックである病院。そこで働く人の給料や人材の削減を行ったらどうなるのか?なんとなく想像できますよね。
病院の体質を批判している漫画や雑誌がありますが、こういった側面にも目を向けて欲しいです。
まずはブラック体質を何とかすべきだよね。
医師になるには難易度が高く、また責任が重い・激務・給料が安いというジャンルもあるので中々ブラック体質は改善できないと思います。

リベートや第二薬局問題

上記のように資金が足りない場合どうするのか?

隣接している薬局に懇意させているお礼にリベートを貰ったり、親族が薬局を経営する(第二薬局問題)ようになりました。

この行為医薬分業の精神から程遠い法律違反。もし国にバレたら業務の停止命令を始めとした罰則が下されます。

この問題は現在沈静化しているものの、今でも裏で行っている可能性も否定できませんね。

医療費があまり減っていない

メリットのほうで説明しましたが、正直なところ医療費はあまり減っていません。

正確には医療費が負担された原因が薬から介護に変化した、というのが正しいですね。

ヨーロッパやアメリカではどうなの?

医薬分業が日本で実施されてからまだ20年ちょっと。ヨーロッパでは1240年頃に医薬分業が実施されていることを考えるとまだまだ日が浅いです。ではヨーロッパやアメリカではどんな対応がされているのでしょうか?

元々医薬分業は1240年頃、神聖ローマ帝国(現在のドイツ)の皇帝であるフリードリッヒ2世が始めたものとされています。始めた理由は「医師が俺を毒殺する可能性があるから、医師は処方箋だけ書いて。薬はその処方箋が問題ないかをチェックして薬を作って」とのこと。

これが現代の医薬分業の基礎となったのです。

この制度、薬剤師が暗殺者だったら結局殺されるよね?

 

神聖ローマ帝国から始まった医薬分業はヨーロッパ中に拡大。大航海時代やヨーロッパによる植民地支配を経て世界中に拡散されていきました。皮肉なことですが、戦争と植民地支配が医薬分業を始めとした医療界を大きく変えていったのです。

そんなヨーロッパですが、その殆どの国で日本と同じ様な問題を抱えており、同じように議論をされています。例えば「薬局は病院内に設置したほうが便利だ」などですね。

唯一日本ほど大変ではないのが医療費です。

ヨーロッパ各国の多くは原則無料や上限があるケースが殆ど。

原則無料 イギリス、イタリア、オランダ、ギリシャ、スペイン、デンマーク、チェコ、スロバキア、ハンガリー、ポーランド、トルコ、カナダ、アイルランド、オーストリア
低額な定額制 アイスランド、スウェーデン、ノルウェー、フィンランド、フランス、ドイツ、ポルトガル、オーストラリア、ニュージーラーランド
20%以上の定率負担 日本、韓国、アメリカ(そもそも国民に対する保険が無い)

引用:医療費が無料の国一覧(1)

医薬分業が進んでいる国の殆どは医療費が物凄く安いんだね。これは日本でも推し進めないと!
残念ながらそうは行きません。この現象は日本では考えられない事情によって成り立っています。

医療費が物凄く安いヨーロッパですが、これには裏が存在します。それは「そもそも病院へいけない」「薬をもらえない」という事実。

ヨーロッパではまずかかりつけ医師が診断を行うのですが、大抵の場合「寝れば治る」と言われます。深夜に体に激痛が走っても「痛み止め出しますね。朝起きても痛かったらまた来てください」。改善せずにかかりつけの医師に電話しても「予約順」と一蹴。

これらを乗り越えて始めて大きな病院へ行き薬を処方されるのです。ようは「命や身体に多大な影響が出ない限りは病院へはいけない」というのがヨーロッパにおける医薬分業の成果なのですよ。

これを「いい」と考えるか「ダメ」だと考えるのかは個人の判断に任せます。

ではアメリカはどうなのか?アメリカは国民健康保険という制度がない為、保険に入らなければ全額負担になります。

しかも、保険に入っていたとしても高額な請求がくるケースがあります。ヨーロッパとは違った意味で「病院へいけない」「薬がもらえない」という状況ですね。大抵の場合、市販薬を進められるケースが多いようです。

ただ、アメリカは薬剤師の立場が非常に大きく、病院内での環境や知識のサポートなどは最も進んでいますね。

医薬分業とは言っても、地域によって仕組みが違うのですね。
気軽に病院へ行ける日本式か、本当に必要な状況でしか使えないヨーロッパ式、薬剤師と医師の立場や権利・サポートが充実しているアメリカ式。何がいいのかは分かりませんが、それぞれに立場や考えがあって今の医薬分業、ひいては薬局が存在しているのですよ。

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